MHFベンチマーク絆☆RADEON HD vs GeForce GTX

まとめ記事

最近、PCのパーツをあれこれ買い換えながらMHFのベンチマーク「絆」を試してみた結果で、NVIDIA製とAMD製ビデオカードの比較レビューを書いてみることにしました。

コンテンツの目次

内容は、NVIDIA GeForce 9600GT → AMD RADEON HD 5770 → NVIDIA GeForce GTX 470 の比較レビューです。なかなか興味深い結果が出ましたよ♪

使用したベンチマークソフト

ベンチマークに使用したのは、MHF公式のMHF ベンチマーク 第2弾【絆】 バージョン 204 です。設定は普段プレイ及び録画に使用している通り、1920x1080px、ウィンドウ表示で計測しました。

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このベンチマークソフトは、実際のゲーム画面よりもずいぶん描写が細かく、CPU やビデオカードに大変な負荷がかかります。

なので、ベンチマークを実行してコマ落ちしまくりのカクカク状態でも、実際にゲームをプレイする分には問題ない場合がほとんどです。ゲーム自体はずいぶん前 (DirectX 8 世代) のもので、この種のゲームとしてはかなり軽い部類に入ります。

ベンチマーク時の条件

まず前述の通り CPU やビデオカードに大きな負担がかかりますので、ASUS Q-FAN によるファン回転数の制御は行わず、全ファンをフル回転させて計測しています。また安定動作のため、起動後しばらく経ってから実行しました。

そしてほかのアプリケーションはすべて閉じ、タスクトレイに常駐しているソフトウェア類もほぼすべて終了させた状態で、アンチウィルスソフトも一時的に常駐監視を止めています。

Core 2 Quad Q9550 + GeForce 9600GT

まずはこれまでずっとメインで使用していたマシン構成でのベンチマークテストです。

種別 使用パーツ 備考
CPU Core 2 Quad Q9550 4コア、定格 2.83GHz → OC 3.40GHz
メモリ 4GB 2GB x 2、デュアルチャネル動作
マザーボード ASUS P5Q Socket 775、チップセット P45 / ICH10R
ビデオカード NVIDIA GeForce 9600GT GIGABYTE製 ファンレス仕様

スコア:2286

Core 2 Quad Q9550 + GeForce 9600GT

ベンチマークはコマ落ちする場面が多い、というかほとんどのシーンがカクカクとぎこちない表示になってしまいました。

CPU は OC(オーバークロック)の効果もあり、現在のミドルレンジクラスと大差ないと思いますが、さすがにビデオカードが9600GTではきついかなという感じです。

でも実はこのスコア、録画しながらのものだったか、録画なしでのものだったか忘れてしまいました(;´д`)

なのでもしかしたら、本来はもう少しスコアが上がっていたのかもしれません。

今考えるとちょっと悲しいスコアですが、実際のMHFを1920x1080pxのウィンドウ表示でプレイするのに支障を感じたことは全くありませんでした。

ただ、録画しながらのプレイでは、若干パッドのレスポンスが追いついてないかな?という場面があったのも確かです。

Core i7 870 + RADEON HD 5770

最近では価格.com 等のランキングを見ても一目瞭然なように、AMD RADEON 全盛期になっています。NVIDIA GeForce はコストパフォーマンス的に見て、完全に押されっぱなしの状態ですね(;・∀・)

そこでずっと気になっていた、Sapphire製のRADEON HD 5770 OCモデルに手を出してみました。さらにどうせなら録画や動画編集環境を改善したいと思い、PC自体を1から組み直しちゃいました。

※このため、単純にビデオカードの性能だけでの比較にはならないことを述べておきます。

種別 使用パーツ 備考
CPU Core i7 870 4コア+HT、定格 2.93GHz → OC 3.53GHz
メモリ 8GB 4GB x 2、デュアルチャネル動作
マザーボード ASUS P7P55D-E Socket 1156、チップセット P55 Express
ビデオカード AMD RADEON HD 5770 Sapphire製OCモデル

スコア:5168

Core i7 870 + RADEON HD 5770 OC

ベンチマークを実行して驚いたのは、ほぼ全シーンがヌルヌル再生されたことです。ここまで違うものなの?と目を疑ってしまいました(;・∀・)

コマ落ちも見た感じではほぼ無く、後述するマイトレ3姉妹登場シーンのみ、ほんのちょっぴり「あ、今コマ落ちした…のかな?」という程度でほとんどわかりませんでした。

次のGeForce GTX 470が登場する前に結論を出しちゃいますが、RADEON大好きになりました。速い!低発熱!低消費電力!そして安い!

NVIDIAは消費電力と価格を大きく見直さないと、このまま引き離される一方じゃないのかなと心配になっちゃうくらいのコストパフォーマンスぶりでした(*´∀`)♪

そして、元々OCモデルのこのビデオカードですが、Catalyst Control Center(CCC)を使ってさらにOCしてみた際の結果も載せておきます。

スコア:6294

Core i7 870 + RADEON HD 5770 OC その2

価格帯を考えると、すごくいいスコアじゃないかなと思います。しかもこの状態でもしっかり安定動作してくれましたので、OC 耐性も相当なものですね♪

Core i7 870 + GeForce GTX 470

RADEON HD 5770が気に入ってすぐの買い換え、その理由にはちょっぴり悲しいエピソードがあります。

わたしが公私ともに愛用している動画編集ソフト、Adobe Premiere Pro、及びそれに付属する動画エンコーダAdobe Media Encoderが、「Adobe Mercury Playback Engine」という特殊な技術によって、すさまじいスピードアップが可能という事実を見逃していたのです。

Mercury Playback Engineは、ビデオカードのCPUに相当するGPUを利用して、対応アプリケーションの様々な動作を超高速化してくれるのですが、対応するGPUの種類が非常に限られているやっかいなものです。

まず前提として、RADEONでは動作しません。Mercury Playback Engineの動作には、NVIDIAの独自テクノロジーである「CUDA」が必要であるためです。

しかもさらにやっかいなのは、ほとんどのNVIDIA GeForceシリーズがずいぶん昔からCUDAに対応しているにも関わらず、動作対象カードは下記の通りほんの一握りに限られています。

  • GeForce GTX 285(WindowsおよびMac OS)
  • GeForce GTX 470 (Windows)
  • Quadro 4000 (Windows)
  • Quadro 5000 (Windows)
  • Quadro FX 3800 (Windows)
  • Quadro FX 4800(WindowsおよびMac OS)
  • Quadro FX 5800(Windows)
  • Quadro CX

そもそも動画編集専用と言っても過言ではないQuadroシリーズはいいとして、GeForceの対応は GTX 285とGTX 470の2種類だけとなっています。

しかもGTX 470は大丈夫なのに、GTX 460はおろか、上位に当たるGTX 480もダメってどういうことなの(;´д`)?

ハードウェア、またはデバイスドライバ的に何らかの問題があるんでしょうけど、「解せない」の一言ですw

さて、その(問題の)Mercury Playback Engineの威力ですが、NVIDIA公式サイトにあるデモ動画を見てしばらく( ゚ρ゚)ポカーン となりました。

まるで動画編集の分野だけが未来にタイムスリップしちゃったかのような、現在の個人向けPCの性能から考えると、あり得ないほどの違いがあることがわかっちゃいました。

……わかっちゃったんです(;´д`)!

というわけで、ちょうど猟団サイトでベンチマーク合戦中でしたし、PCもケース内のエアフローに四苦八苦してまだ組み立て途中だったこともあり、静かで冷えると評判の独自ツインファンを搭載したMSI製の GeForce GTX 470カードをAmazonでポチっとなしてしまいました。しかもお急ぎ便指定でw

さっそく取り付けて最新ドライバをインストールし、ベンチマークを試してみました。

種別 使用パーツ 備考
CPU Core i7 870 4コア+HT、定格 2.93GHz → OC 3.53GHz
メモリ 8GB 4GB x 2、デュアルチャネル動作
マザーボード ASUS P7P55D-E Socket 1156、チップセット P55 Express
ビデオカード NVIDIA GeForce GTX 470 MSI製OCモデル

スコア:8060

Core i7 870 + GeForce GTX 470

なにこれすごい。

さすがハイエンドクラスのビデオカード、SLIでもないのにこのスコアにはびっくり。お値段に見合うだけの性能はありますね♪

でもここで重要なお話をしなければなりません。

スコアはさておき、ベンチマーク中に何度もコマ落ちしました。何度試してみても、同じシーンで必ずコマ落ちします。ミドルレンジの製品であるRADEON HD 5770では見られなかった症状です。

ハードウェア的な作りの方向性が若干違うこともあるのかもしれませんが、私はデバイスドライバの熟成度が問題ではないかと思いました。だって高性能だし高かったんだもん(´・ω・`)

過去に、NVIDIA製のデバイスドライバを最新のものに差し替えたらスコアが顕著に伸びたという話を聞いたことがありますし、先述したAdobe Mercury Playback Engineの対応カードが増えるときには必ずデバイスドライバが更新されているというのも理由の一つです。

デバイスドライバが原因で、何かの機能が使えなかったり、速度に大きな変化があるということは、ドライバのアップデートが嬉しいという反面、みんなが試して「本気で熟成した!」と世間が考えるようになるまでは、やはりRADEONに分があるように感じました。

しかし!(・ω☆)キラン!

情報通り、Adobe Premiere Proでの編集作業や、Adobe Media Encoderでのエンコード速度は、爆発的に向上しました!

すごい技術です。感動しちゃいました。この点だけは、もうRADEONには戻れそうにありません。

GeForce GTX 470のオーバークロックに挑戦 その1

MSI製のビデオカードには、まだお楽しみがあります。「AfterBurner」というオーバークロック専用のアプリケーションが付属していて、これにより(比較的)安全に、それでいてかなり無茶なオーバークロック動作を試すことができます。

※実は他社製のビデオカードにも使えるという話はさておきw

さっそくですが、少しずつクロックをいじり、温度を計測し、吸気ファンを取り替えたりとか色々しながら、「常用に耐える」値がだいたいわかってきました。

本来の定格クロックは以下の通りです。

  • Core Clock: 607MHz
  • Shader Clock: 1215MHz
  • Memory Clock: 1674MHz

これを長時間負荷をかけ続けても安定動作できる「安全圏」として、Core Clockを660程度に設定してみました。

生粋のオーバークロッカーな方が見れば、たいしたことない数値だと思います。

でもわたしの環境(ケース内のエアフローとか電圧調整とか)では、例えばCore Clockが690を超えたあたりから、負荷をかけ続けてしばらくすると画面がビキビキと崩れ、AfterBurnerさんが自動的にクロックを元に戻してくれちゃうことがたまにありました。

なので、少し下げたところから、さらにもう気持ち下げて、上記のような値を安全圏と決めました。

※現在はケース内エアフローの改善等により、Core Clock 700前後で安定しています。

スコア:8973

Core i7 870 + GeForce GTX 470 OC その1

なにこれなにこれ。なんでこんなに上がるの!?(*゚д゚)ポカーンヌ

ちょっとびっくり、というよりかなりショッキングでした!

でもでも、相変わらず決まったシーンでコマ落ちが発生しました。若干軽減された気がしないでもないですが、体感的にあまり変わったようには感じられませんでした。

GeForce GTX 470のオーバークロックに挑戦 その2

せっかくなので(調子に乗って)、一時的にケースを解放して扇風機で風を当て、さらに無茶をさせてみることにしましたw

AfterBurnerで、常用可能状態よりも かなりきつめの値に設定しました。Core Clockを720程度にして計測した状態です。

さすがに不安定にはなりましたが、ベンチマークを完走することはできたので結果を載せておきます。

スコア:9134

Core i7 870 + GeForce GTX 470 OC その2

ヮ(゚д゚)ォ!!

出ました、SLI無しでの9000越えです!

この値、もしくはさらに上を狙うとなると、細かな電圧調整が必要になると思います。温度的にはかなり余裕があったので、そのあたりに詳しくて勇気のある方は、もっと激しくオーバークロックできるはずです。

でも、電圧を上げるのが不安なんです。GeForce GTX 470は消費電力が高いうえに、わたしはフルハイビジョンでの動画編集をすることが多いためHDDを6台接続し、オーディオカードも積んでいます。

常にCPU、ビデオカード、HDD共にフル稼働なことが多いので、現在の電源ユニット(50W)では、たぶんギリギリに近いんじゃないかな?って(;・∀・)

GeForceでコマ落ちしやすかったシーン

RADEONでは見られない、または目立たなかったのに、GeForceでは必ずコマ落ちするシーンは以下の4シーンでした。

▼一番最初にカニさんが歩いてくるあたり

一番最初にカニさんが歩いてくるあたり

▼ランポスたちが登場→飛びかかるあたり

ランポスたちが登場→飛びかかるあたり

▼主人公がアップになるシーン

主人公がアップになるシーン

▼花火が上がり、マイトレ管理人3姉妹が登場するシーン

花火が上がり、マイトレ管理人3姉妹が登場するシーン

特に最後の3姉妹が登場するシーンは、オーバークロックした状態のGTX 470でもしっかりコマ落ちしました。

総括:RADEON HD vs GeForce GTX

普通にゲームを楽しみたい方、動画を楽しみたい方には、現時点では迷うことなくRADEONをおすすめします。お値段を含め、圧勝と言っても過言ではないと思います。

特にベンチマークの値をすっごく気にする方でなければ、静かで冷えて速い、Sapphire製のRADEON HD 5770 OCモデルや、RADEON HD 5850 OCモデルは将来性、コストパフォーマンス的にとってもすばらしいと思います。

わたしのように動画編集に重きを置くユーザーの場合は、現状MSI製のGeForce GTX 470搭載カードくらいしかおすすめが思いつきません。さすがに爆音ファン搭載カードは避けたいので、「静音で冷える」というのが前提だからです。

ほかにGALAXY製のGeForce GTX 470搭載カードも静音をうたっていますし、OC耐性も高いようですが、各方面の評価ではそれほど静かでもないようなので(;・∀・)

※これらの情報はわたし個人の評価によるものです。例えば静音性に対する許容範囲も個人差や環境差があるでしょうし、購入を検討する際は色々と情報を集めてみることをおすすめします(*´∀`)ノ